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睡眠時間を減らすことは可能なのか?|睡眠時間の様々な影響

睡眠時間を減らす

 

疑問を持つ人
睡眠時間を減らしても、健康でいられる方法ってないの?

 

睡眠時間を減らして何かを頑張っている人、趣味に没頭している人、そういった人は多いと思います。
もしくは、長時間眠ることがもったいないと思っている人もいると思います。
現代では、何をするのにも時間が足りなく、睡眠時間を減らしがちです。
ですが、睡眠時間を減らすことは人間にとって、あなたが思っている以上に悪い影響があります。

 

睡眠時間を減らして、健康な状態を維持することは不可能です

 

睡眠時間を減らしても大丈夫なように「ショートスリーパーになろう!」、みたいな情報がネットや本にありますが、その情報は間違いです。
ショートスリーパーと呼ばれる人達はたしかに存在しますが、そういった人達は生まれつきショートスリーパーなのであって、後から努力してショートスリーパーになったわけではありません。
ショートスリーパーかどうかは遺伝子によって決まっているので、後からどんなに努力してもショートスリーパーにはなれません。
なので、そういった情報を信じてしまい、睡眠時間を減らしてしまっているのであれば今日からやめてください。
あなたがショートスリーパーである確率は、宝くじが当たる確率並みに低いです。

 

この記事では、睡眠時間を減らしてしまうとどうのような影響があるのかを、例を交えながら説明していこうと思います。
睡眠の大切さがわかっていただける内容になっていると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

睡眠時間と集中力の関係

集中_仕事

あまり眠れなかった次の日は、1日中ぼーっとしてしまいませんか?
何をやっても何だか集中できずに気が散ってしまう。
作業していたつもりだったのに、気がついたら手が止まってしまっていた。
1度はこんな経験をしたことがあると思います。

 

そうです、1日でも睡眠不足になるとすぐに集中力は低下してしまいます。
それくらい人間の脳は睡眠を欲しているのです。

 

集中力が一瞬だけ途切れる減少を「マイクロスリープ」と呼んだりします。
マイクロスリープとは、一瞬だけ眠ってしまうという意味です。
一瞬だけ意識が飛んで、ハッとなるアレです。

 

マイクロスリープの最中は脳は一切の情報を認識していません。
視覚だけでなく、聴覚や触覚も働いていないそうです。
日常の生活の中で、一瞬だけ意識が飛んでも問題ないと思われるかもしれませんが、その一瞬が大きな事故に繋がることは多々あります。

 

一番わかり易いのが、「運転」だと思います。
ほんの数秒マイクロスリープに入ってしまうと、それだけで命に関わります。
時速50キロで車を運転していた場合、2秒間で約30m進みます。
つまり、たった2秒マイクロスリープに入ってしまうだけで、誰もコントロールしていない車が30mも進むことになるのです。
危険を通り越して、車が完全な凶器に変わります。

 

  • 子どもが飛び出してきても反応することができない
  • 信号に反応できない
  • カーブを曲がることができない

 

少し考えただけでも、その危険性はお分かりいただけますと思います。
私も車を運転するので、絶対に睡眠時間は削らないようにしています。
寝不足の日は運転することをやめましょう。

 

恐ろしいことに、マイクロスリープは平均睡眠時間が6時間程度の人でも確認されています。
多くの睡眠時間は6~7時間ぐらいだと思われます。
つまり、多くの人がマイクロスリープ状態になっていると思われるのです。

 

アメリカのペンシルベニア大学の研究によると、6時間睡眠を10日間続けると、24時間連続で起きている人と同じくらいに集中力が低下することがわかっています。
この研究結果からわかることは、誰でも徹夜した後と同じぐらいの集中力になってしまう可能性があるということです。
毎日6時間程度しか眠っていないのであれば、それくらい危険な状態で運転しているということを自覚しなかればなりません。

 

別の研究では、睡眠不足の状態で運転することは飲酒運転と同じくらいの危険性があることもわかっています。
自分や他人を危険に合わせないためにも、十分な睡眠時間を確保しましょう。

 

睡眠時間と運動能力の関係

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もしあなたが、何かしらのスポーツや運動を頑張っているのなら、悪いことは言わないので8時間以上眠りましょう。
運動能力と睡眠時間の研究は進んでおり、トップアスリートは皆さん睡眠にはこだわっています。

 

睡眠時間が8時間より短くなると、運動に関係する機能が徐々に下がってしまうことがわかっているからです。
特に6時間より短くなると、目に見えて低下します。

 

睡眠不足による影響

  • 疲労回復が遅くなる
  • 心肺機能の低下
  • 筋力の低下
  • 筋肉が疲れやすくなる
  • 集中力の低下

 

スポーツにおいて重要な要素が、これほどまでに悪化してしまいます。
どんなに努力して能力を向上させても、本来の力を発揮できなくては勝てません。
また、”怪我のしやすさ”とも睡眠時間は関係していることがわかっています。

 

2014年にアスリートを対処とした調査によると、睡眠時間と怪我をする確率には関係があることがわかっています。(*1)
結論だけ言えば、睡眠時間が短くなればなるほど、怪我をする確率は上昇します。
怪我をしてしまえば、試合にでることはもちろん、練習することもできません。
致命的な怪我をしてしまえば、スポーツを続けることもできなくなってしまいます。

 

そうならないためにも、十分な睡眠時間を確保することをおすすめします。
私は今はスポーツはしていませんが、毎日そこそこハードな運動を行っています。
ですが、しっかりと睡眠時間を確保しているおかげで、怪我はもちろん腰痛などにも悩まされていません。
大人になると、意識しないとなかなか運動はしなくなるし、睡眠時間も短くなります。
運動不足と睡眠不足は、健康にとっては両方良くありません。
運動と睡眠をセットで考えて、より健康的に過ごしませんか?

 

睡眠時間と病気の関係

病院

最後に病気との関係をお話します。
結論から言えば、眠らないと病気になります。
ここで言う病気とは、風邪のような軽い病気ではなく「ガン」や「心臓発作」などの命に関わる病気です。
日本人男性4000人以上を調査研究でも、睡眠時間が6時間以下の人は7~8時間の人に比べて死亡率が2.4倍高くなると報告されています。(*2)
1日の睡眠時間が1~2時間違うだけで、死亡率が倍以上になるという衝撃的な数字です。
心臓が1回でも停止する確率に関しては4~5倍になるそうです。
睡眠が脳だけでなく、心臓にとっても重要なことがよくわかります。

 

睡眠不足が体に与える悪影響は様々ですが、一番わかりやすいのが血圧の上昇です。
「高血圧」が健康に悪いことはご存知だと思いますが、なぜ悪いのかはご存知ですか?
「ちょっと高血圧ぎみなんだよね~」と軽く言う人がいますが、実はかなり深刻な問題です。
毎年高血圧に関連する病気で700万人もの人が亡くなっているとされています。

 

高血圧になると、血管がダメージを受けてしまいます。
その影響で血管内に傷ができ、できた傷から血栓と呼ばれる血管を塞いでしまうような状態になることもあります。
血栓ができてしまえば、十分に血液を循環することができなくなり、最悪の場合「脳梗塞」や「心筋梗塞」といった死亡率の高い病気に繋がります。

 

眠るのがもったいないと思って、睡眠時間を削って何かをしているとしたら、寿命と健康を削っていることを自覚しなければなりません。
削った寿命と健康は、1日だけ長時間眠っても返ってこないので、毎日の睡眠時間を見直す必要があります。

 

いかがだったでしょうか?
今回の記事で紹介した睡眠を減らすことでの悪影響はどれも、一睡もしない悪影響ではなく、毎日の睡眠時間がちょっとだけ短いだけでも起こるものばかりです。
思っているよりも、睡眠時間が色々な体の機能に関係していること、ちょっとだけ睡眠時間が減るだけでも健康に影響があることがわかっていただけたと思います。
これを機会にあなたの睡眠時間を見直してみてはいかがでしょうか?
しっかりと睡眠をとったほうが1日を効率的に使うことができ、たとえ起きている時間は短くなっても、結果的により多くのことができると思います。
夜はしっかり眠って、昼にしっかりと活動しましょう。
あなたの睡眠が少しでも長くなることを祈っています。

 

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【参考文献】
(*1)
Milewski MD, et al.
Chronic lack of sleep is associated with increased sports injuries in adolescent athletes.
J Pediatr Orthop. 2014 Mar;34(2):129-33
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25028798

 

(*2)
Amagai Y, Ishikawa S, Gotoh T, Doi Y, Kayaba K, Nakamura Y, Kajii E.
Sleep duration and mortality in Japan: the Jichi Medical School Cohort Study.
J Epidemiol. 2004 Jul;14(4):124-8.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15369129

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