
ストレスがお腹の調子、つまり「腸」に影響しているという話を聞いたことがあるかもしれません。
これは、ただの思いこみや精神的なものではありません。
強いストレスにさらされると、腸は思っている以上にダメージを受けます。
もっと具体的に言うと、あなたの腸に小さな穴が開きます。
腸に穴が開いてしまうと
- 肥満
- 糖尿病
- 認知症
- 慢性的な疲労
上で挙げた4つ以外にも、様々な病気の原因になります。
思っていたよりも、ストレスの影響があることに驚かれたと思います。
それくらい、ストレスが腸に与える影響は大きいのです。
更に、近年の研究では「急性のストレス」よりも「慢性的なストレス」の方が腸に与える影響は大きいとされています。
つまり、瞬間的にかかる大きなストレスよりも、毎日ジワジワと感じるストレスの方が腸にダメージを与えるというこです。
新型コロナウイルスの影響で、毎日ストレスを感じられていると思います。
こうした日常のストレスはあなたが思っている以上に危険です。
この記事では、ストレスから腸を守るために、腸の状態をできるだけ良い状態にする方法についてお話しします。
科学的な根拠があり、簡単にできる方法ですので、ぜひ参考にしてみてください。
ストレスが腸に穴を開ける|リーキーガット
冒頭でストレスによって、腸に穴が開くという話をしました。
腸に穴が開くことを、「リーキーガット」と呼びます(「腸管壁浸漏」とも言います)。
ストレスを感じると「コルチゾール」と呼ばれるストレスホルモンが分泌されます。
コルチゾールは瞬間的に血糖値や血圧を上げる機能があり、人間の体を「逃げるか、戦うか」の闘争状態にします。
大昔、人間がまだ野生動物に囲まれて生活していたころには、この機能は役立ちました。
突然ライオンに襲われたときに、瞬間的に「逃げるか、戦うか」を選択できる状態に変えてくれるからです。
ですが、現代ではストレスの種類が変わり、慢性的にコルチゾールが分泌されてしまう状態になっています。
コルチゾールには様々な副作用があり、その1つが腸内細菌のバランスを変えてしまうことです。
腸内細菌のバランスが崩れてしまうと、腸の壁をくっつけている結着細胞が壊れてしまい、腸の壁に小さなスキマができます。
これがリーキーガットです。
腸の大切な役割として、外からの入ってきた有害なバクテリアや毒素が血管に入ることを防いでくれています。
ですが、ストレスによってリーキーガットが起こると、腸のバリアは破られてしまっています。
その開いた穴から、有害な物質が血管に入ってしまい、体中のあらゆる場所で炎症が発生してしまいます。
こうなってしまうと、どんなに健康に良いことをしても改善効果は期待できません。
体のあらゆる場所で炎症反応が起こってしまっているからです。
では、どうやったらリーキーガットを防ぐことができるのか?
1つは、ストレスを無くすことです。
ストレスが無くなれば、コルチゾールが過剰に分泌されることもなくなり、リーキーガットも怒りません。
しかし、ストレスを完全にゼロにすることが不可能なことは御存知の通りです。
ストレスを減らすことはできますが、ゼロにすることはできません。
もしあなたが、毎日強烈なストレスを感じているというのであれば、環境を変えたりする必要があるかもしれません。
別記事で、そちらについてはお話しているので、良ければ参考にしてみてください。
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仕事のストレスを解消する5つの方法【今日から始めよう】
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リーキーガットを防ぐ、2つ目の方法は腸内環境を良くすることです。
ストレスによる影響をできるだけ少なくするために、腸内環境を整えていることが重要です。
ストレスホルモンと腸内環境の関係を調べた研究を1つ紹介します。
2011年にカナダの大学で行われた研究で、腸内細菌がいなくなるとマウスにどのような影響があるのかを調べました。
腸内細菌を持たないマウスにストレスを与えると、普通のマウスと比較してどのような違いが表れるのかを実験しました。(*1)
結果は、腸内細菌を取り除かれたマウスは、普通のマウスと比較すると「ストレスホルモンが多く分泌される」ことがわかりました。
つまり、腸内細菌がしっかりいることが、ストレスホルモンの影響を小さくしてくれることがわかったのです。
腸内環境がストレスに関係していることはわかりました、ではどうすれば腸内環境を良くすることができるのか?
必要なものは「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」です。
腸を健康にする食べ物|ストレスの影響を抑える
「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」って何なの?
そう思われていると思います。
簡単に説明すること下記の通りになります。
プロバイオティクスとプレバイオティクス
- プロバイオティクス:人体に良い影響を与える細菌が豊富なもの
- レバイオティクス:腸内最近のエサになり、腸内環境を整えるもの
つまり、プロバイオティクスとは細菌のことで、プレバイオティクスは細菌のエサのことです。
どちらか片方だけでも腸内環境には良い影響を与えますが、両方摂った方が効果的です。
それぞれ、サプリメントとして摂取することも可能ですが、スーパーに売っている普通の食べ物にも含まれています。
それぞれどんな食材を食べれば良いのかをリストにしたので、参考にしてみてください。
プロバイオティクスの例
- ヨーグルト
- 納豆
- 味噌
- キムチ
- ピクルス
- ザワークラウト
つまりは発酵食品を食べれば良いということです。
身近な発酵食品を、毎日1品食べるようにしましょう。
次は、プレバイオティクスです。
プレバイオティクスの例
- 野菜類
- 果実類
- 海藻類
- きのこ類
- オリゴ糖
できるだけ食物繊維が豊富な食材を、積極的に食べるようにしましょう。
食物繊維は、人間では消化・吸収できないので、そのまま腸に届き腸内細菌のエサとなってくれます。
また、オリゴ糖は砂糖を発酵させたもので、食物繊維と同じで腸内細菌のエサになってくれます。
甘さが欲しい場合は、砂糖よりもオリゴ糖を使うのがおすすめです。
いかがだったでしょうか?
日々の食事に少し気をつけるだけで、腸内環境を整え、ストレスによる影響を小さくすることができます。
腸は「第二の脳」と呼ばれるほど重要な臓器なので、健康に保つことはとても大切です。
ぜひ、プロバイオティクスとプレバイオティクスを積極的に食べて、良い腸内環境を目指してください。
最後に腸に関する本を1冊ご紹介します。
おすすめの腸に関する本
ベストセラーとなった、「いつものパンがあなたを殺す」を書かれたデイビッド・パールマターさんの本です。
いかに、人間にとって腸が大切なのか、どうやったら腸を良くすることができるのかを書かれた1冊です。
この本1冊で、腸に関する知識を大量に獲得することができるので、かなりお得な本だと思います。
この記事を読んで、腸についてもっと知りたいと思った方はぜひ読んでみてください。
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【参考文献】
(*1)
Neufeld KM, Kang N, Bienenstock J, Foster JA.
Reduced anxiety-like behavior and central neurochemical change in germ-free mice.
Neurogastroenterol Motil. 2011 Mar;23(3):255-64
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21054680