科学的な効果を確認する大切さ
科学的に見て、食事制限にダイエット効果はあるのでしょうか?
当然のように私達はこれまで、食べなければ痩せると思っていました。
しかし、科学的に見て正しいのかは確認してきませんでした。
前の記事では、食事制限について、感覚的に難しそうだという話をしてきました。
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食事制限のダイエット効果「食事制限で本当に痩せるのか?」
続きを見る
今回は、打って変わって"科学的"な面から話をしようと思います。
わざわざ"科学的"なんて、小難しい話をするのには理由があります。
それは、"科学"があなたの「考えるきっかけ」になり、「努力する方向」を教えてくれるからです。
今までダイエットに失敗してきたからといって、"次はもっと頑張ろう"とする必要はありません。
努力することは大切ですが、それ以上に「どんな努力をするか」が大切です。
間違った方向で努力しても、残念ながら結果はついてきません。
今までの失敗は「努力不足」ではなく、「努力の方向」が間違っていたのです。
そのことを客観的に伝えるために、"科学"という、第三者が調べた結果を使います。
うわっ、何か難しそう
読んでも、訳のわからない単語が大量に出てきそう
大丈夫です!
このサイトの目的は"できるだけわかりやすく"伝えることです。
できるだけわかりやすく
- 簡単な図
- 日常生活で例えると、こういうこと
という感じで書いていくので、心配ありません。
専門的な単語の意味は別記事で解説予定ですが、この記事では"ザックリ"理解してくだされば大丈夫です。
出てくる単語の意味を、覚える必要はまったくありません。
逆に、「もっと詳しく知りたい」、「自分で調べてみたい」という人向けのコンテンツも、順次増やしていきますのでお待ち下さい。
さて、本題「科学から見た、食事制限」に戻ります。
世界中の色々な国で、肥満に関する研究が発表されています。
世界的に見ても、肥満は深刻な問題なのでしょう。
つまり、私達があれこれ考えなくても、世界中の誰かが勝手に実験してくれているのです(ラッキー♪)。
これをどんどん利用していきましょう、"自称専門家"や"太っている医者(←なんか多くありませんか?)"の意見よりは、よっぽど信用できます。
それでは、これから3つの研究結果を紹介していきます。
読み終わるころには、あなたの"食事制限神話"は崩れているでしょう。
食事制限と代謝の関係
最初は、2012年にアメリカの学術誌に発表された論文から
この研究では、食事制限によって、一時的に体重を10%以上減らしてもらい、代謝を測定したそうです。
(実際は、他にも色々と測定されていますが、ここでは省略します)
結果は、想定していたよりも代謝が大きく減少し、食欲を抑える能力も減少したそうです。(*1)
なんだかちょっと難しいと思われていると思いますので、さっそく日常生活に例えてみましょう。
もし突然、収入(給料やバイト代など)が減ったら、あなたはどうしますか?
当然使うお金を減らそうと、節約しますよね?
そうしないと、生活が厳しくなったり、本当に欲しい物が買えなくなったりしてしまいます。
人間の体も同じように、入ってくエネルギーが少なくなると、使うエネルギーを節約しようとします。
そうしないと、いつかエネルギー不足になって死んでしまうからです。

つまり、食事制限をすると"痩せにくい体"になるのです。
残念なお知らせは、まだ続きます。
2008年に同じくアメリカの学術誌に発表された研究によると
一度大きく減少した代謝(エネルギー消費量)は、なかなか元には戻らないそうです。(*2)
なんと、食事制限をしてしまうと"食事制限を止めた後"も、"痩せにくい"状態が続くのです。
食事制限と食欲
食事制限をしたことがある人ならわかりますが、
食事制限をすると、異常にお腹がすきませんか?
少し油断すると、今までよりも食べてしまいそうになります。
科学的にも、食事制限をすると食欲が増えることが証明されています。
次にご紹介する研究は、10週間の食事制限によって減量してもらい、
その人のホルモン(体をコントロールする物質)を調べるという研究です。
研究結果によると、レプチンと呼ばれる"食欲を抑えるホルモンが減少"し、グレインと呼ばれる"食欲を増すホルモンが増加"する。
そして、それらの変化は12ヶ月以上持続すると書かれています。(*3)
当然と言えば当然ですよね。
あなたも、お金が減ってくればアルバイト時間を多くしたり、副業をしたりしてお金を増やそうと思うはずです。
【まとめ】食事制限でダイエットすると……
- 痩せにくい体になる
- ダイエットを止めた後も、痩せにくい状態が続く
- 食欲が増す
- ダイエットを止めた後も、しばらく食欲は増したまま

食事制限をすると、お腹が減って、脂肪が燃えにくい状態になる。
こうなってしまうと、いくらあなたが頑張っても、体は勝手に太っていきます。
つまり、食事制限だけでダイエットを行うと、"痩せない"だけでなく"太る"のです。
(TOT)ガーン
かなり衝撃の事実ですよね。
食事制限で痩せないことがわかりました。


次の記事で"痩せるためにする運動"主に"ランニング"について、お話しようと思います。
走るかどうかは、次の記事を読んでみてから考えてみてください。
ダイエットと言えば、ランニング。
さて、走り続ければ、痩せるのでしょうか?
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ランニングでは痩せれない?ランニングでダイエットは難しい【痩せる運動も紹介】
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ツイッターでは、私が普段行っているダイエット方法や健康管理方法などをツイートしています。よければのぞいてみてください。
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【参考文献】
(*1)
Kissileff HR, Thornton JC, Torres MI, Pavlovich K, Mayer LS, Kalari V, Leibel RL, Rosenbaum M (2012)
Leptin reverses declines in satiation in weight-reduced obese humans.
Am J Clin Nutr. 2012 Feb; 95(2): 309–317.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3260066/
(*2)
Rosenbaum M, Hirsch J, Gallagher DA, Leibel RL. (2008)
Long-term persistence of adaptive thermogenesis in subjects who have maintained a reduced body weight.
Am J Clin Nutr. 2008 Oct;88(4):906-12.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18842775
(*3)
Sumithran P, Prendergast LA, Delbridge E, Purcell K, Shulkes A, Kriketos A, Proietto J (2011)
Long-term persistence of hormonal adaptations to weight loss.
N Engl J Med. 2011 Oct 27;365(17):1597-604.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22029981