何時間睡眠が良いのか、色々な意見がありますよね?
「6時間で充分」であったり、「慣れれば4時間でも問題ない」といった意見もあります。
人の話を聞いているだけでは、何が正解なのかわからなくなってくると思います。
理想的な睡眠時間に関しては、年齢や性別など様々な要素が関わってくるので、簡単に「あなたの理想の睡眠時間は◯◯時間だ!」とは言えません。
ですが、1つだけ確実に言えることがあるとすれば、「短時間の睡眠は危険です!」。
多くの人は忙しいことが原因なのか、睡眠時間をどうやったら短くできるのかを考えています。
そのため、「ショートスリーパーになろう」であったり、「◯◯すれば短い睡眠でもOK」のような本も数多く売られています。
先に結論だけ言うと、「睡眠時間は短くしてはいけません」。
睡眠に関する研究結果から、睡眠時間を短くすることは"百害あって一利なし"であることがわかっています。
この記事では、睡眠時間が短くなってしまうとどのような影響があるのか、理想的な睡眠時間は最低でも何時間必要なのかを解説しています。
睡眠時間について悩んでいるあなたの役に立てれば幸いです。
睡眠時間と人間の体の関係
睡眠時間は人間のあらゆる活動や体調に関係してきます。
- 体重
- 集中力
- 運動能力
- 免疫力
- 死亡率
睡眠時間と関係がないものの方が少ないぐらい、私達の体は睡眠時間の影響を受けます。
今回は「体重」と「集中力」の面から、必要な睡眠時間を考えたいと思います。
どちらの問題も悩まれている方の多い問題ですので、それらと睡眠時間の関係について知ることで、理想的な睡眠時間が見えてくると思います。
体重と睡眠時間
睡眠時間と体重にはどのような関係にあるのか?
これについて知るために、636095人の女性について、睡眠時間とBMI(平均体格指数)の関係を調べた研究をご紹介します。
BMIとは、Body Mass Index(ボディ・マス・インデックス)の略称で、肥満度を表す数字です。
(健康診断結果の体重の横に書いてあることが多いです)
研究の結果は下の図のようになりました。
赤色に塗っている、7~8時間睡眠が一番BMIが低いという結果になりました。
つまり、7~8時間睡眠の人が一番痩せているということです。
この結果だけ見ると7~8時間睡眠が理想的に思えます。
それでは、集中力の面から見るとどうなのでしょうか?
集中力と睡眠時間
集中力に関しては、体重よりもハッキリと睡眠時間の影響を受けることがわかっています。
「マイクロスリープ」という言葉を知っていますか?
マイクロスリープとは、一瞬だけ眠ってしまうという意味です。
一瞬だけ意識が飛んで、ハッとなった経験はありませんか?
それがマイクロスリープです。
このマイクロスリープ、つまり集中力が途切れる瞬間が睡眠時間が短くなると頻繁に起きるようになってしまうことがわかっています。
あなたは徹夜をしたことがありますか?
徹夜したあとに、集中して何かに取り組もうと思ってもできないですよね?
徹夜をすることは少ないでしょうが、短時間睡眠を繰り返している人は多いはずです。
短時間の睡眠時間を繰り返していると、徹夜と同じレベルまで集中力が低下することがわかっています。
アメリカのペンシルベニア大学の研究によると、6時間睡眠を10日間続けると、24時間連続で起きている人と同じくらいに集中力が低下することがわかっています。
6時間睡眠が10日間続いている人なんて、日本中にいますよね?
6時間睡眠で劇的に集中力が落ちていると思っている人はほとんどいませんが、気が付かない内に集中力は低下しています。
6時間睡眠でも集中力は低下する。
これは科学的に証明されている事実です。
一瞬だけ意識が飛んでも、それほど大きな問題ではないと思われているかもしれませんが、そんなことはありません。
スポーツをしている最中に一瞬でも意識が飛んでしまえば、怪我の原因にあります。
実際に、2014年にアスリートを対処とした調査によると、睡眠時間と怪我をする確率には関係があることがわかっています。(*1)
集中力の低下が問題になるのはスポーツだけに限りません。
車やバイクを運転している最中に、意識が一瞬だけ飛んだらどうなるでしょうか?
車やバイクは高速で移動しているので、一瞬でもかなりの距離を移動します。
一瞬の判断の遅れが重大な事故に繋がることは、あなたも良く知っていると思います。
あなたが加害者にならないためにも、運転をする場合は充分な睡眠をとる必要があるでしょう。
理想の睡眠時間は何時間?
ここまでの内容で睡眠時間の重要性はわかっていただけたかと思います。
そして、「体重」と「集中力」の話を合わせて考えると、最低でも7時間以上は必要なこともわかったと思います。
それでは、どうやったら”あなたにとっての理想的な睡眠時間”を知ることができるのか?
一番シンプルな方法が、「目覚ましを使わないで起きられるか」で判断することです。

あなたがこう思ったなら、あなたの睡眠時間は足りていません。
私も昔は目覚ましのアラームで何とか目を覚ましていましたが、今でもアラームがなくてもある程度同じ時間に起きることができます。
これは私が特殊な訓練をしたわけではありません。
よく考えてみてください、目覚ましがないと起きられないのであれば、目覚ましがない時代はどうやって起きていたんですか?
目覚ましがない時代でも、朝決まった時間に起きて働いていたはずです。
みんなが毎日バラバラの時間に起きていたら、社会が成り立ちません。
つまり、もともと人間には決まった時間に起きる能力が備わっているのです。
そもそも、人間以外の動物は目覚まし時計を持っていませんし、時間の概念すらないでしょう。
ですが、どの動物も決まった時間に起きますよね?
現代人だけが、目覚まし無しでは起きられなくなってしまっているのです。
自然に起きられなくなっている原因は睡眠不足です。
統計的にも、平均的な睡眠時間はどんどん短くなっていることがしてきされており、WHOも睡眠不足に関しては世界中で問題になっているという認識を示しています。
特に、日本人は睡眠時間が短いことが指摘されており、韓国に次いで世界で2番目に睡眠時間が短い国だとされています。
なので理想の睡眠時間の1つの目安としては、"目覚まし無しでも起きられるぐらいの時間"ということです。
もう1つの目安は、休日の睡眠時間です。
休日に「寝溜めしたいな~」と考えているのであれば、それは平日の睡眠時間が足りていない証拠です。
睡眠に関しては、「寝溜め」や「あとでしっかり寝る」などはできないことがわかっています。
つまり平日の足りていない睡眠時間を休日に長めに眠って取り返すことは不可能ということです。
平日の睡眠時間が足りていなければ、どれだけ休日に眠っても、「体重の増加」や「集中力の低下」は避けられません。
その目安として、休日に「寝溜めしたい」と思うかどうかが重要になってくるのです。
当然ですが、普段の睡眠時間が足りていないから寝溜めしたくなるのです。
平日に充分な睡眠時間を確保できていれば、休日も同じ時間だけ眠れば問題ないはずです。
つまり、あなたは無意識の内に自分の睡眠不足を認識しているのです。
その感覚に素直に従って、もう少し平日の睡眠時間を長くしてみませんか?
平日に使うことのできる時間は短くなるかもしれませんが、それ以上に休日の時間を有効に活用することができるはずです。
充分な睡眠時間を確保したほうが、集中力も高まり効率よく時間を使うことができるようになるので、トータルとしては平日にしっかりと眠ったほうが上になるはずです。
目先の時間だけにとらわれずに、効率良く時間を使うために、睡眠時間をしっかりと確保してはいたがでしょうか?
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【参考文献】
(*1)
Milewski MD, et al.
Chronic lack of sleep is associated with increased sports injuries in adolescent athletes.
J Pediatr Orthop. 2014 Mar;34(2):129-33