
簡単に理解できる方法ってないの?
ダイエットについて調べていると、「炭水化物」「タンパク質」「脂質」といった言葉がでてきますよね。
学校でなんとなく勉強したことは覚えているかもしれませんが、具体的に覚えている人は少ないのではないでしょうか?
そこで、この記事では、「3大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)の消化の仕組みの基礎」について簡単解説します。
この記事を読むとわかること
- 炭水化物(糖質)の消化
- タンパク質の消化
- 脂質の消化
- 【余談】コラーゲンについて
ダイエットを成功させるためには、正しい食べ物の知識は必要不可欠です。
自分が食べているものが、どのように体に影響するのかわからないまま食べ続けると、太ってしまうのも当然です。
同じ食べ物でも、「炭水化物」「タンパク質」「脂質」はぞれぞれ違った消化・吸収のされ方をします。
違いを知ることで、食に対する考え方もかわってくると思いますので、ぜひ最後までご覧になってください。
炭水化物の消化
炭水化物の基礎
そもそも炭水化物って何だと思います?
ごはんやパンなどの、主食のことだと思っていませんか?
間違ってはいませんが、厳密に言うと違います。
そして、そのちょっとした違いがダイエットにも大きな影響を与えます。
炭水化物は、「糖質」と「食物繊維」からできているモノの総称です。
科学的に定義すると 炭素と水から構成される化合物ということになります(ココはどうでもいいです)。
野菜にだって、炭水化物は含まれます。
主食だけでは、ないんですよ。
「糖質」はダイエットをしている人には有名な、「糖質制限ダイエット」でおなじみの「糖質」です。
「食物繊維」は人間の消化器官では消化・吸収できない物質で、野菜や果物に多く含まれまれている繊維状の成分です。
野菜ジュースを家で作ろうと思って、ミキサーにかけてもサラサラのジュースにはならずに、ドロドロになりますよね?
あのドロドロが「食物繊維」です。
「食物繊維」は人間のエネルギーにはなりませんが、腸内細菌の栄養になることで知られています。
腸内細菌が私達にとって、とても大切な役割を担っていることがわかってきました。
そこで、腸内細菌のエサとなる食物繊維も、近年注目されています。
食物繊維について、より詳しく解説している記事もあるので、そちらもご覧になってください。
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なぜ食物繊維にはダイエット効果があるのか?【答えは腸にあります】
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デンプンの消化の流れ
今回は「糖質」の中でも体表的な「テンプン」にしぼって、解説しようと思います。
ザックリとした、デンプンの消化の流れは以下の通りです。
- 唾液
- 十二指腸
- 小腸
- 肝臓
デンプンが口の中に入ると、唾液に含まれる「アミラーゼ」と呼ばれる酵素と反応します。
「アミラーゼ」と反応すると、「デキストリン」と呼ばれる、ドロドロの状態になります。
その後、胃でさらに細かく分解され、十二指腸まで運ばれます。
十二指腸で再び「アミラーゼ」と反応し、「麦芽糖」になります。
そして、最後に小腸で「マルターゼ」と呼ばれる酵素によって、「グルコース(ブドウ糖)」まで分解されます。
グルコースは小腸から血管に入り、肝臓に運ばれます。
そして、肝臓から全身の臓器や細胞に運ばれ、エネルギーとして使われるのです。
余ったグルコースは肝臓へと戻ります。
そして、「グリコーゲン」と呼ばれる、貯めるのに適した形に変えられて、肝臓に貯めれれます。
グリコーゲンはエネルギーが足りなくなったら、再びグルコースへと変換されて、エネルギーとして使われます。
糖質の消化
step
1唾液の「アミラーゼ」でドロドロになる
step
2十二指腸の「アミラーゼ」で更にバラバラになる
step
3小腸の「マルターゼ」で「グルコース」になる
step
4肝臓へ運ばれ、全身の臓器や細胞のエネルギーになる
step
5余ったら、「グリコーゲン」になり、肝臓に貯められる
ざっくりとは、こんな流れです。
糖質はデンプンだけではないので、実際にはもっと複雑な流れです。
いっきに全てを理解する必要はないので、とりあえずは基本だけで大丈夫です。
(私もこれくらいの知識量で、大学の理系学部に入れています)
タンパク質の消化
タンパク質の基礎
タンパク質はアミノ酸が繋がったものだと、知っていましたか?
ちなみに私の家族は知りませんでした。
タンパク質は筋肉になるもの、アミノ酸は体に良いもの、みたいな認識でした(笑)。
アミノ酸は全部で20種類あります。
そのうち9種類は、体の中で作ることができません。
それを、「必須アミノ酸」と呼びます。
食べ物から取らなきゃいけない(必須な)アミノ酸という意味です。
逆に、体の中で作れるアミノ酸を「非必須アミノ酸」と呼びます。
別に必須じゃないよ、という意味です。
タンパク質消化の流れ
タンパク質の消化は胃から始まります。
胃液に含まれる「ペプシン」と呼ばれる酵素によって、「ポリペプチド」と呼ばれる状態になります。
次に十二指腸に運ばれると、膵液に含まれる「トリプシン」によって、「オリゴペプチド」になります。
最後に小腸の「アミノペプチダーゼ」によって、「アミノ酸」にまで分解されます。
そして、アミノ酸は色々な臓器・細胞でタンパク質に合成されて、機能を発揮します。
アミノ酸の主な役割は、タンパク質の材料になることです。
人間の体の中では、数え切れないほどの種類のタンパク質がいろいろな働きをしています。
(筋肉だけじゃないんですよ)
女性が好きな、コラーゲンもタンパク質の1種なんですよ。
タンパク質の消化
step
1胃液の「ペプシン」によって「ポリペプチド」になる
step
2十二指腸の「トリプシン」によって「オリゴペプチド」になる
step
3小腸の「アミノペプチダーゼ」によって「アミノ酸」になる
step
4「アミノ酸」は臓器・細胞でタンパク質に合成されて活躍する
脂質の消化
脂質の基礎
最後は、みんなあまり好きじゃない脂質について解説します。
脂質の大部分は「中性脂肪」から構成されていて、残りが「コレステロール」や「リン脂質」と呼ばれるもので作られています。
脂質は脂肪になる邪魔なもので、できるだけ摂取しないほうが良いと思われていますが、そんなことはありません。
脂質は人間の体に、無くてはならない大切な栄養素です。
脂質の主な役割は、3つあります。
- 細胞膜の材料になる
- ホルモンの材料になる
- エネルギーを貯蔵する脂肪になる
脂肪が多いのは良くありませんが、少なすぎても良くないのです。
体脂肪率が低すぎると、風邪を引きやすくなったり免疫に支障が出るるのことがわかっています。
と言っても、普通の人が支障が出るほど体脂肪を減らすことはできないので、心配しなくでも大丈夫です。
脂質消化の流れ
脂質はまず、唾液の中に含まれる少量のリパーゼでちょっとだけ分解されます。
次の胃では分解されません。
十二指腸の膵液によって、バラバラにされ細かくなります。
その後、同じ十二指腸で胆汁酸と反応し、「ミセル」と呼ばれる状態に変化します。(※)
最終的には、小腸で血管へと入り、肝臓やリンパ管に運ばれ、色々な体の材料になります。
※脂質はそのままでは水に溶けないので、胆汁酸と反応することによって、水に溶けやすくなります。
このことを「ミセル化」と言います。
脂質の消化
step
1唾液の「リパーゼ」によって少し分解される
step
2十二指腸の「膵液」によってさらに分解される
step
3十二指腸で「胆汁酸」と反応し、「ミセル」になる(水に溶けやすくなる)
step
4小腸で血管へと入り、肝臓やリンパ管に運ばれる
いかがでしかたか?
ざっくりと理解していただけたでしょうか?
今回の記事の内容は、基礎の基礎をざっくり紹介しただけですが、それでも初めての方には難しいと思います。
ゆっくりでいいので、少しずつ理解していけば良いと思います。
私達の体は、食べたもので出来ています。
食べ物について知ることは、自分を知ることにも繋がりますので、ちょっとだけ勉強してみるのはいかがでしょうか?
難しい話が続いたので、最後に身近な話題を1つさせてください。
【余談】コラーゲンについて
テレビや女性誌などで「コラーゲンでお肌ピチピチ」みたいな宣伝をよく見ますよね。
残念ながら、科学的にはまったく効果がないことがわかっています。
人間はコラーゲンをいくら食べても、コラーゲンのままでは吸収できません。
アミノ酸に分解して、その後に自分自身でコラーゲンを合成して、初めて使えるのです。
しかも、コラーゲンを作るのに必要なアミノ酸は「非必須アミノ酸」だけです。
つまり、人間はコラーゲンを食べなくても、コラーゲンを作れるのです。
もし、お肌のために無理にコラーゲン製品を食べているのでなら、
買うのをやめた方が良いと思います。
肌に良くない成分が入っていることが多いですよ。