知ってるようで知らない、内蔵脂肪と皮下脂肪の違い。
この記事では、2種類の脂肪の差についてわかりやすくお話します。
明日から、家族や友人に、読んでいただけると嬉しいです。
記事の流れ
1. 内臓脂肪と皮下脂肪の違い
2. 内蔵脂肪とは
3. 皮下脂肪とは
4. メタボリックシンドローム
内臓脂肪と皮下脂肪の違い
「内臓脂肪と皮下脂肪の違いを説明しろ」と突然言われても、答えられない人がほとんどだと思います。
大学の理系学部を卒業している私の友人も、答えられませんでした。
しかし、この違いは重要です。
メタボリックシンドローム(通称:メタボ)で、問題になっているのは内蔵脂肪です。
メタボと診断されても、多くの人は気にしません。
(男性の割合が高いです)
どうせ俺はメタボ体型だから
それで、済ませてしまっている人がほとんどです。
しかし、メタボリックシンドロームと診断された人は将来「動脈硬化」を引き起こす確率が極めて高い人です。
放置しておくと非常に危険です。
現代の医療は非常に進歩しているので、即死とはなりませんが「後遺症」は残ります。
その後のあなたの人生が、楽しくないものになってしまうので放置するのはオススメしません。
メタボリックシンドロームについては記事後半でお話します。
まずは、内蔵脂肪の解説から。
内蔵脂肪とは
内蔵脂肪と聞いて、あなたは何を想像しましたか?
おそらく、あなたの想像通りです。
内蔵脂肪とは、内蔵の周りにつく脂肪のことです。
内臓の中でも主に、腸間膜といわれる小腸を固定している薄い膜の周辺につきます。
内蔵脂肪が多くなってしまった人の特徴として、「お腹周りだけポコっと出ている」ことが多いです。
一般的に言われる「ビール腹」や「中年太り」の状態です。
形から「りんご型肥満」と言われたりします。
一般的に内臓脂肪は男性の方がつきやすいと言われています。
体重は変わらないけど、お腹だけ出てきたという男性の方は注意が必要です。
【超簡単】あなたの脂肪はどっち?
つまめる脂肪=皮下脂肪
つまめない脂肪=内蔵脂肪
内蔵脂肪が増えると
1. インスリン抵抗性が上がる(インスリンが効きにくい体になる)
2. 血中コレステロールが増える
3. アディポネクチン(インスリンを効きやすくしたり、動脈硬化を抑制する物質)が減る
基本的には、良いことは1つもありません。
繰り返し言います。
内蔵脂肪が増えて良いことは"まったく"ありません。
一旦内蔵脂肪がつきすぎると、上の画像のように、太りやすくなる負の無限ループ状態になってしまいます。
この無限ループを断ち切らないと、将来大変なことになります。
ここまでは、ひたすら脅してきましたが安心してください。
内蔵脂肪は"燃えやすいゴミ"です。
内蔵脂肪は皮下脂肪と比較して、落としやすい脂肪です。
正しいダイエットを行えば、1ヶ月後には変化しているはずです。
過去の記事でダイエットについて解説しているので参考にしてみてください。
皮下脂肪
皮下脂肪も漢字からわかるように、皮膚の下の脂肪のことです。
(皮膚の外にあると怖いですが((((;゚Д゚))))
主に筋肉と皮膚の間につきます。
内蔵脂肪が「ポッコリお腹」だとすると、皮下脂肪は「ズッシリお尻」です。
主に、お尻や太ももにつきやすく、「洋梨型肥満」と言われたりします。
一般的に皮下脂肪は女性の方がつきやすいと言われています。
そして、女性の方には朗報です。
皮下脂肪は良い働きもしてくれています。
「脂肪=悪」ではありません。
皮下脂肪の主な役割は
1. 外からの衝撃を和らげる
2. 寒さから身を守る
つまり、皮下脂肪は外からのダメージ(衝撃や寒さなど)を防いでくれているのです。
女性は妊娠・出産といった大切な役割のために、子宮を守る必要があるため、皮下脂肪がつきやすいといわれています。
男性よりも女性の方が皮下脂肪がつきやすいと言いましたが、男性でも皮下脂肪が非常に多い職業の人達がいます。
わかりますか?
力士(お相撲さん)です。
どすこい!
ご存知の通り、力士は非常に多い脂肪を体に蓄えています。
巨体と巨体がぶつかり合う相撲において、衝撃を吸収してくれる皮下脂肪は欠かせません。
そして、力士は一見不健康に見えますが、そんなことはありません。
力士の方の健康状態は非常に良いそうです。
一般人の倍以上体重があっても、健康な理由がついている脂肪の種類です。
力士のお腹をCTスキャン(体の中を見る装置)で見てみると、内蔵脂肪が少なく、皮下脂肪が多いことがわかりました。
これは力士の運動量が多いことが理由だと考えれています。
ご存知の通り力士は体を大きくするために、大量に食べます。
そのことによって、脂肪は体につきますが、同時に稽古で長時間体を動かすので、内臓脂肪は減少します。
(内臓脂肪は燃えやすい)
そして結果的に、皮下脂肪だけが残るということです。
もちろん皮下脂肪もつきすぎれば、腰や膝に負担がかかるなどの悪影響はありますが、適度な皮下脂肪は健康上大きな問題にはなりにくいと言えるでしょう。
メタボリックシンドローム
通称:メタボ
もうすっかり定着して言葉です。
太っている人を「メタボ体型」なんて言う人もいますが、「メタボ=太っている」ではありません。
メタボには診断基準がしっかり決められています。
メタボリックシンドローム診断基準
1. おへその高さの腹囲が男性は85cm、女性は90cm以上
2. 血圧・血糖・脂質のうち2つ以上が基準値から外れる
この2つの条件を満たせば、メタボリックシンドロームと診断されます。
メタボの判断基準として、よく聞くのは1.の腹囲だと思います。
健康診断で測られますよね。
腹囲が診断基準になっている理由は、記事前半で話したように内臓脂肪はお腹まわりにつきやすいからです。
内蔵脂肪が多いと、様々な悪影響があります。
それは内蔵脂肪によって悪玉ホルモンが増えるからだと言われています。
メタボリックシンドロームと診断された人は
- 2型糖尿病になるリスクが約3倍
- 血管疾患をおこし死亡するリスクが約3倍
と言われています。(*1)
繰り返しになりますが、内臓脂肪は見た目が悪くなるだけでなく、様々な重い病気の原因になります。
あなたの人生をより良いものとするために、一度脂肪の種類を確認してみてください。
【超簡単】あなたの脂肪はどっち?
つまめる脂肪=皮下脂肪
つまめない脂肪=内蔵脂肪
(*1)
Ford ES
Risks for all-cause mortality, cardiovascular disease, and diabetes associated with the metabolic syndrome: a summary of the evidence.
Diabetes Care. 2005 Jul;28(7):1769-78.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15983333